編集長のデトロイト渡航記

こんにちは、M2の高梨です。

9月9日(火)から2週間、修士研究の対象地であるデトロイトに行って参りました。

reDSC08080.JPG▲廃墟となった駅ビルの前の空き地がサイクリングイベントtour de troitの会場となる

行く理由となった興味の主な対象としては、公共サービスが破綻してしまったデトロイトに見られる、公共サービスを勝手に代替している民間企業やNPO、そしてそれらと公共の関係などでした。

今回の訪問ですが、当初は8月に行こうと計画していたのですが、メールを普通にしても全然インタビューのアポイントメントがとれず、やむなく9月に予定をずらしました。ずらしたからにはとメール以外にもFacebookや電話や他研究室の先生のつてなど、なりふり構わずアポイントメントをとることに集中した結果、最終的には15件のヒアリングと8つの見学をお願いすることができまして、充実した2週間をすごすことができました。特に難しいと言われていた市の方などにもお会いできましたことは嬉しかったです。

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▲いろいろな方にお世話になりました

デトロイトの都市を歩いた感想としては、都市の近代化や人種問題や資本主義などの問題に如実に影響されているように感じました。特に車中心に設計された都市としての問題がここまで極端に現れている例を見たことはなく、中心市街地にも大量に存在する駐車場が徒歩で移動する際には歯抜け感を出し、公共交通はほぼ存在せず(存在するモノレールは一周15分一方向、何にもつながっていない)、中心市街地を出るとどこまでも極端に低密度な住宅地が続きます。

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▲デトロイトの住宅地

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▲市はコンクリートで覆われた部分が多く、下水システムも上手くいっていない

それでもデトロイトをで会った人は"We have bad media coverage"と言い、来てみるとそれほど悪くないでしょうと言います。確かに場所によってはデトロイトもいいところはあります。

研究としてはこれからいくつかのテーマについて進めながら全体としては何が言えるのか考えて行きたいと思います。

テーマとしては:

・公共サービスがNPOなどに代替されるようになっていく過程

・それらのNPOが、財団の寄付やNPOの作ったマスタープラン(Detrolit Future Cityと言います)によって特定の地区に集まって行く様子

・大企業による都市農業をゾーニングに入れる条例の作成の過程

・大企業による格安物件買い占めによるまちづむりの様子

などは面白そうだなとおもっています。

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▲バスの運営を始めたベンチャー企業が本拠地とする車工場のレノベーション

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▲デトロイトの緑化事業を行っているNPOのオフィスにおいてあったDetroit Future Cityの地図

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▲社会復帰を目指す人を雇用し、大規模労働集約農業を行おうとしているGaryさん

今後論文執筆に集中していこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。